遺伝子データ活用Q&A:私の遺伝子データ、海外に送られることはあるの?大丈夫?
遺伝子検査サービスを利用する際、「自分のデータがどのように扱われるのだろう」「個人情報は守られるのだろうか」といった不安を感じる方は少なくないでしょう。特に、サービス提供事業者が海外にある場合や、データの保管場所が海外と聞くと、さらに心配になるかもしれません。
「私の遺伝子データが海外に送られるって本当?」「もし海外で管理されるとしたら、安全性は大丈夫なの?」といった疑問にお答えし、皆さんが安心して遺伝子データ活用について考えられるよう、分かりやすく解説します。
遺伝子データは海外で扱われることがある? なぜ?
はい、遺伝子データが日本国外で扱われる可能性はあります。これは、いくつかの理由が考えられます。
まず、遺伝子検査サービスを提供している会社が海外の会社である場合です。この場合、当然ながらデータはその会社の拠点がある国や地域で管理されることになります。
また、日本の会社がサービスを提供している場合でも、データの保管や処理の一部を海外の専門企業に委託していることがあります。例えば、インターネット上のサービスを支えるためのサーバーを海外に置いている場合や、大量のデータを分析するために海外の高性能なシステムを利用する場合などです。
現代では、インターネットを通じて世界のどこからでもデータにアクセスし、処理することが可能です。そのため、効率性やコスト、技術的な理由から、データの保管や処理が海外で行われることは、遺伝子データに限らず、さまざまなオンラインサービスで一般的に行われています。
海外でデータが扱われると、何か違うの?安全性は?
「海外でデータが扱われる」と聞くと、国の法律が違うから心配だと感じるかもしれません。確かに、国によって個人情報の保護に関する考え方や法律は異なります。しかし、だからといって「海外だから危険」と単純に判断することはできません。
まず、日本の「個人情報保護法」では、事業者が個人データを海外にある第三者(サービスを提供する会社など)に提供する場合、原則としてご本人の同意が必要と定めています。そして、同意を得る際には、提供先の国名や、その国の個人情報保護に関する制度、そして提供先が講じる安全管理のための措置などについて、あらかじめご本人に情報を提供することが求められています。
つまり、皆さんがサービスを利用する際に「同意します」という手続きをすると思いますが、その中に「データが海外に提供される可能性があること」とその際の条件などが含まれていることが多いのです。
また、サービス提供事業者は、皆さんの大切な遺伝子データを守るために、様々な対策を講じています。例えば、データを送る際に暗号化(データを読めない形に変換すること)したり、データにアクセスできる人を限定したり、不正アクセスを防ぐためのセキュリティシステムを導入したりといった対策です。これは、データが日本国内で扱われる場合でも、海外で扱われる場合でも同様に重要視される点です。
さらに、提供先の海外の事業者と、データの取り扱いに関する契約を結び、日本の法律と同等かそれ以上のレベルでデータが保護されるように取り決めを行っている場合もあります。
これらのことから、データが海外で扱われる場合でも、日本の法律による規制、事業者のセキュリティ対策、そして契約による取り決めなど、いくつかの層で皆さんのデータは保護されていると考えられます。
わたしたちは何を確認すれば良いの?
ご自身の遺伝子データがどのように扱われるのか、特に海外での取り扱いや安全性について知るためには、サービスを利用する前に提供されている情報を注意深く確認することが大切です。
具体的には、サービス提供事業者の「利用規約」や「プライバシーポリシー」を確認しましょう。これらの文書には、個人情報や遺伝子データがどのように収集され、利用され、そしてどのような場合に(例えば海外に)提供されるのかといった重要な情報が記載されています。
特に以下の点に注目して確認してみると良いでしょう。
- データの保管場所: 遺伝子データや個人情報が保管されるサーバーが、日本国内にあるのか、海外にあるのかが記載されている場合があります。
- 海外への提供に関する記載: データを海外の第三者(関連会社や委託先など)に提供する可能性があるか、ある場合はどのような場合に提供されるのかが説明されています。
- 海外の提供先に関する情報: データを送る可能性のある国名や、その国における個人情報保護の制度について触れられているか、提供先事業者がどのような安全管理措置を講じているかなどが説明されているか確認しましょう。
- セキュリティ対策: どのような技術的・組織的なセキュリティ対策を講じているかについての一般的な説明が記載されているかどうかも、信頼性を判断する上での参考になります。
もし、これらの文書を読んでもよく分からない点や、確認したい点がある場合は、サービスの問い合わせ窓口に質問してみることも有効な手段です。信頼できる事業者であれば、皆さんの疑問に対して丁寧に答えてくれるはずです。
まとめ
遺伝子データは、サービスの仕組みや事業者の都合により、海外で扱われる可能性があります。しかし、日本の個人情報保護法では、データを海外に提供する際に皆さんの同意を得ることや、提供先の情報を伝えることを事業者に求めています。
また、多くの事業者では、データが海外で扱われる場合でも、暗号化などのセキュリティ対策や、提供先との契約によって、皆さんのプライバシーが守られるように努めています。
サービスを利用する前に、そのサービスの利用規約やプライバシーポリシーをよく確認し、ご自身のデータがどのように扱われるのか、特に海外での取り扱いについてどのような説明がされているのかを理解することが、安心してサービスを利用するための大切な一歩となります。もし不明な点があれば、事業者に問い合わせてみることをお勧めします。
皆さんがご自身のデータを安心して預けられるサービスを選び、遺伝子データ活用が提供する可能性を安全に享受できるよう、この情報が役立てば幸いです。