遺伝子データ活用Q&A:もし検査会社が事業をやめたら、私の遺伝子情報は守られる?
遺伝子検査サービスが事業を終了したら、私のデータはどうなるのでしょうか?
遺伝子検査サービスの利用を検討されている方の中には、「もし利用している会社がサービスをやめてしまったら、私の遺伝子データはどうなってしまうのだろう?」とご心配になる方もいらっしゃるかもしれません。大切な個人情報でもある遺伝子データが、予期せぬ形で扱われるのではないかと不安に思うのは自然なことです。
この疑問について、一般的なサービスの考え方や、ご自身のデータを守るために知っておきたい点をご説明します。
サービス終了時のデータ扱いはどう決められるの?
まず、多くのインターネットサービスと同様に、遺伝子検査サービスでも、サービス終了時におけるお客様のデータの取り扱いについて、利用規約やプライバシーポリシーにあらかじめ定められていることが一般的です。
これらの規約には、「サービス提供期間中、お客様のデータをどのように利用・管理するか」だけでなく、「サービスが終了する場合、お客様のデータはどのように扱うか」といった項目が含まれていることがあります。例えば、サービス終了から一定期間経過後にデータを削除する、といった内容が記載されていることがあります。
サービス提供会社は、これらの規約に沿って対応する義務があります。また、日本の個人情報保護法(個人情報を取り扱う事業者が守るべきルールを定めた法律)でも、事業の廃止などによって個人情報が不要になった場合、その個人情報を適切に消去する努力義務などが定められています。
サービス終了後もプライバシーは守られるの?
サービスが終了しても、提供会社が持つお客様の遺伝子データが、すぐに誰でも見られるようになってしまう、ということは考えにくいでしょう。なぜなら、多くの会社は、お客様からお預かりしたデータを安全に管理するための体制を整えているからです。
もし、別の会社に事業が引き継がれる(M&Aや事業譲渡など)場合は、データの引き継ぎについても、お客様の同意を得る必要がある場合や、新しい会社がこれまでのプライバシーポリシーを引き継ぐ、といった対応が取られることが一般的です。ここでも、個人情報保護法などの法令や、元の会社の利用規約が基準となります。
もちろん、万が一のデータ漏洩リスクはゼロではありませんが、サービス終了という事態になったからといって、すぐにデータの管理体制が崩れるということではありません。会社には、終了後も一定期間はデータを適切に管理する責任があります。
ご自身のデータを守るために確認しておきたいこと
サービス終了はまれなケースかもしれませんが、万が一に備えて、また安心してサービスを利用するために、以下の点を確認しておくことをおすすめします。
- 利用規約やプライバシーポリシーを確認する: サービスを申し込む際や利用中に、データの取り扱いに関する条項、特に「サービス終了時」や「退会後」のデータ取り扱いについて書かれている部分を確認しておきましょう。少し分かりにくい言葉遣いもあるかもしれませんが、「データ削除」「データ保持期間」といったキーワードを探してみるのが良いかもしれません。
- 疑問点は問い合わせる: 規約を読んでも分からないこと、心配な点があれば、サービスの問い合わせ窓口に質問してみましょう。丁寧な説明をしてくれる会社であれば、より安心して利用できる判断材料になります。
- ご自身のデータのダウンロードや削除の選択肢を知っておく: サービスによっては、ご自身の検査結果データをダウンロードできる機能や、退会時にデータを完全に削除できるオプションを提供している場合があります。これらの機能があるかを知っておくことも、将来的な安心につながります。
まとめ
遺伝子検査サービス提供会社が事業を終了した場合でも、お客様の遺伝子データは、その会社の利用規約やプライバシーポリシー、そして個人情報保護法などの法令に基づいて取り扱われます。すぐに無防備な状態になる、ということは考えにくいでしょう。
ご自身のプライバシーを守るためには、サービス利用前に利用規約などを確認し、どのような場合にデータがどう扱われるのかを理解しておくことが大切です。もしご心配な点があれば、ためらわずにサービス提供会社に問い合わせてみてください。ご自身で情報を得ることで、漠然とした不安を減らし、安心して遺伝子検査サービスと向き合えるはずです。