データゲノムQ&A - 遺伝子データ活用Q&A：検査会社は私の遺伝子データをどう守っているの？

遺伝子データ活用Q&A：検査会社は私の遺伝子データをどう守っているの？

Tags: 遺伝子データ, プライバシー, セキュリティ, 個人情報保護, 遺伝子検査

遺伝子検査に興味はあるけれど、「自分の大切な遺伝子データがどう扱われるのか心配」「もしデータが漏れたらどうしよう」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。検査を受ける会社が、あなたのデータをどのように管理し、守っているのかは、安心してサービスを利用するためにとても大切なポイントです。

この記事では、遺伝子データを提供する会社が、あなたのプライバシーとデータをどのように守っているのかについて、分かりやすくご説明します。

まず気になるのは、「自分のデータは誰でも見られる状態にあるの？」ということではないでしょうか。基本的に、多くの遺伝子検査サービス提供会社では、あなたの遺伝子データにアクセスできる人を社内で厳しく制限しています。

アクセスできる人: 通常は、サービス提供やデータ管理、セキュリティに関わるごく一部の担当者だけに限られています。全員が見られるわけではありません。
委託先: データの保管や分析などを外部の専門機関に委託している場合もあります。その場合でも、委託先の会社とは秘密保持契約などを結び、あなたのデータが適切に扱われるようにルールを定めています。
研究での利用: あなたが同意した場合に限り、匿名化されたデータが研究目的で利用されることがあります。この場合も、直接あなたの個人情報が特定できる形で共有されることは基本的にはありません（匿名加工情報については別の記事でも解説しています）。

つまり、あなたの遺伝子データは、許可された担当者や、厳重なルールのもとで契約を結んだ外部機関のみが取り扱う可能性があり、無許可で誰でも見られる状態になっているわけではないと考えられます。

サービス提供会社は、あなたの遺伝子データを外部からの不正アクセスや内部での不適切な利用から守るために、いくつかの対策を行っています。専門的な言葉で説明されることが多いですが、イメージとしては以下のような対策が考えられます。

データの「鍵かけ」: あなたの遺伝子データは、インターネットを通じてやり取りされる際や、会社のデータベースに保管される際に、暗号化（あんごうか）という技術が使われることがあります。これは、データを特別な符号に変換して、もし途中でデータが盗み見られても、内容が分からないようにする「鍵をかける」ようなイメージです。
「入退室管理」された保管場所: 物理的な保管場所（データを保存しているサーバーなどがある場所）には、入退室管理がしっかり行われています。関係者以外は簡単に入れないよう、セキュリティが高い場所でデータが管理されています。
「許可証」がないと入れない仕組み: 会社のシステムにアクセスするには、IDとパスワードを使ったり、特別な権限が必要だったりします。これも、決められた人だけがデータにアクセスできるようにするための「許可証」のような仕組みです。

これらの技術的・物理的な対策を組み合わせることで、大切な遺伝子データが不用意に外部に漏れたり、許可なく使われたりすることを防いでいます。

遺伝子検査サービスを提供する会社は、あなたの遺伝子データをどのように扱うかについて、必ずプライバシーポリシーや利用規約という形で公開しています。

そこには、

などが記載されています。

検査を検討する際には、これらの「約束事」を事前にしっかりと確認することが大切です。分からない点があれば、遠慮なく会社の問い合わせ窓口に質問してみましょう。あなたの疑問に丁寧に答えてくれる会社であれば、より安心して利用できるかもしれません。

遺伝子データは非常に個人的で大切な情報です。それを検査会社に預けることに不安を感じるのは自然なことです。しかし、多くのサービス提供会社は、あなたのデータを守るために様々な対策を講じており、その取り扱いについて規約で明確に示しています。

不安を解消するためには、

といった点を、サービスを選ぶ前にしっかりと確認することが重要です。ご自身の納得のいくサービスを選び、遺伝子データ活用を安心安全に進めていただければ幸いです。