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遺伝子データ活用Q&A:私の遺伝子データ、捜査機関に提供されることはあるの?

Tags: 遺伝子データ, プライバシー, 個人情報保護法, 犯罪捜査, 規約

遺伝子検査を検討している方の中には、「自分の遺伝子データが、もしもの時に犯罪捜査などに使われてしまうのではないか」と漠然とした不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。遺伝子データは非常に個人的な情報ですので、その扱われ方が気になるのは当然のことです。

この疑問について、遺伝子データが捜査機関に提供される可能性や、関連するルール、私たちが知っておくべきことについて、分かりやすく解説します。

遺伝子データは「個人情報」として扱われます

まず大切なのは、遺伝子データは私たちの身体に関わる非常に重要な「個人情報」の一つとして扱われる、ということです。

個人情報保護法という法律では、個人情報は本人の同意なく第三者に提供してはならないというルールが定められています。これは遺伝子データにも基本的に当てはまります。

法令に基づけば提供される可能性も

しかし、個人情報保護法にはいくつかの例外も設けられています。その一つが、「法令に基づく場合」です。

例えば、犯罪捜査において、裁判所が発行する捜索差押令状や、法律に基づいた情報提供の照会などがこれにあたります。このような法的な手続きを経た要求があった場合、サービス提供者は個人情報を提供しなければならないことがあります。これは遺伝子データに限らず、氏名や住所、利用履歴などの個人情報全般に言えることです。

したがって、法的な手続きに基づいた正式な要求があった場合には、遺伝子データを含む個人情報が捜査機関に提供される可能性はゼロではありません。

遺伝子検査サービスの規約を確認しましょう

遺伝子検査サービスを提供している会社は、どのような場合にユーザーのデータを第三者に提供する可能性があるかを、利用規約やプライバシーポリシーに記載しています。

多くの信頼できるサービスでは、ユーザーの同意を得ずにデータを第三者に提供しないこと、そして法的な要求があった場合でも、その手続きが適正であるかを慎重に判断する方針を示しています。中には、法的な義務がない限り、政府機関からのデータ提供要請に応じないことを明確にしているサービスもあります。

サービスを選ぶ際には、利用規約やプライバシーポリシーをよく読み、「どのような場合に」「どのような情報が」「誰に」提供される可能性があるのかを確認することが大切です。専門的な言葉で書かれていることもありますが、「第三者提供」「個人情報」「法令遵守」「捜査協力」といったキーワードに注目して読んでみてください。

匿名化されたデータが捜査に直接使われる可能性は低い

遺伝子検査サービスは、新しい検査項目の開発やサービス改善のために、ユーザーの遺伝子データを分析することがあります。その際、多くの場合は個人が特定できないように加工された「匿名加工情報」として利用されます。

匿名加工情報は、元の個人が誰であるかを特定できないように、氏名などが削除・置換され、他の情報と照らし合わせても個人が分からないように作られた情報です。このような匿名加工情報が、特定の個人の特定を目的とする犯罪捜査に直接的に使われる可能性は低いと考えられます。

サービスがどのような目的で、どのような形でデータを活用するのかについても、規約に記載されていますので確認してみましょう。

まとめ:知っておくべきこと

遺伝子データの取り扱いについて正しく理解することで、漠然とした不安を少しでも解消し、安心してサービスを検討する材料にしていただければ幸いです。ご自身のデータをどのようなサービスに託すか、規約をよく確認して慎重に判断することをお勧めします。