データゲノムQ&A

遺伝子データ活用Q&A:検査から数年後、データが再び使われることってあるの?その時どうなる?

Tags: 遺伝子データ, データ活用, プライバシー, 同意, セキュリティ

「遺伝子検査を受けたけれど、数年経った後も、私の遺伝子データは検査会社に保管されているのかしら?」「将来、何か新しいことが分かった時に、私のデータはまた使われることがあるのだろうか?」「もし使われるとしたら、私の知らないうちに勝手に利用されるのではないか?」

このような疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。一度提供した遺伝子データが、時間が経ってからもどのように扱われる可能性があるのか、そしてその際に私たちのプライバシーがどのように守られるのかは、多くの方が気にされる点です。

ここでは、遺伝子検査を受けた後のデータが、数年後にどのように活用される可能性があり、その際にどのような仕組みで皆さんの情報が守られているのかについて、分かりやすくご説明します。

遺伝子データは検査会社に保管されるのが一般的です

多くの遺伝子検査サービスでは、皆さんの遺伝子データを一定期間、安全な場所で保管しています。これにはいくつかの理由があります。

数年後のデータ活用には、どのような種類があるの?

時間が経ってから皆さんの遺伝子データが活用される可能性があるのは、主に以下のようなケースです。

1. 新しい科学的発見に基づいた情報提供

遺伝子に関する研究は急速に進んでいます。例えば、検査を受けた時点では関連性が知られていなかった遺伝子と特定の病気との関係が、数年後に新しく発見されることがあります。

もし、皆さんの遺伝子データが保管されていて、かつサービスの利用規約や同意内容に含まれている場合、検査会社はこうした新しい知見に基づき、皆さんに追加の情報を提供してくれることがあります。これは、ご自身の健康管理に役立つ場合もあります。

2. サービス改善や新機能の開発

検査会社は、より良いサービスを提供するために、皆さんから同意を得た範囲でデータを活用してサービスを改善したり、新しい機能を開発したりすることがあります。

この場合、通常は匿名加工情報(個人を特定できないように氏名や住所などの情報を削除したり、置き換えたりしたデータ)として利用されます。例えば、「〇歳代の女性が、特定の遺伝子タイプを持つ場合、このような傾向が見られる」といった、個人の特定につながらない統計的な分析などに使われることが考えられます。

3. 同意に基づいた研究開発への貢献

皆さんが検査を受ける際に、遺伝子データを使った研究開発への協力を求められる場合があります。これは、医学や生命科学の進歩に役立てるためのものです。

研究にデータが使われる場合も、多くは匿名加工情報として扱われ、特定の個人が識別できないように配慮されます。このような研究は、新しい診断方法や治療法の開発につながる可能性があり、社会貢献という側面も持ちます。

データが活用されるには「同意」が大切です

皆さんの遺伝子データが、検査時だけでなく将来にわたって活用される場合、最も重要になるのが「同意」です。

検査を受ける際に、サービス利用規約やプライバシーポリシーの中で、皆さんの遺伝子データが将来どのように活用される可能性があるのか、その範囲や目的について説明がされています。皆さんがサービスに申し込む(同意する)ことで、その内容に同意したことになります。

同意はいつでも確認・撤回できる?

多くのサービスでは、ご自身のデータがどのように扱われているか、どのような利用に同意しているかを確認できる仕組みを提供しています。また、研究利用など、特定の目的でのデータ利用に対する同意を後から撤回できる場合もあります。

もし、ご自身のデータ活用に関する同意状況を確認したい場合や、将来の利用について不安がある場合は、利用しているサービスのウェブサイトで確認するか、検査会社に問い合わせてみることが推奨されます。

あなたのデータは安全に守られています

検査会社は、皆さんの大切な遺伝子データを守るために、様々なセキュリティ対策を講じています。データの保管場所へのアクセス制限、データの暗号化、外部からの不正アクセスを防ぐための技術的な対策などが行われています。

また、先述の匿名加工情報のように、個人を特定できないようにデータを加工して利用することは、プライバシー保護のための重要な手法の一つです。

ご自身でできること

将来的なデータ活用について、ご自身でできることもあります。

まとめ

遺伝子検査から数年が経った後でも、皆さんの遺伝子データが検査会社に保管され、新しい科学的発見に基づく情報提供やサービス改善、研究開発のために活用される可能性はあります。

しかし、その際には皆さんの同意が非常に重要になります。多くの活用は、皆さんが最初に同意した範囲内で行われるか、あるいは重要な変更がある場合には改めて同意が求められます。また、プライバシー保護のために、匿名加工情報として利用されることも多いです。

ご自身のデータがどのように扱われているかを知ることは、安心につながります。利用規約を確認したり、必要に応じて検査会社に問い合わせたりしながら、皆さんの大切な遺伝子データを安心して利用できる環境を保つことが大切です。