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データゲノムQ&A:私の遺伝子データ、自分で保管するってどういうこと?メリット・デメリットや注意点を解説

Tags: 遺伝子データ, 自己保管, プライバシー, データ管理, セキュリティ

私の遺伝子データ、自分で保管するってどういうこと?メリット・デメリットや注意点を解説

遺伝子検査サービスを利用すると、通常、検査会社が皆さんの遺伝子データを保管し、サービス提供や新しい情報の解析などに活用します。しかし、「自分の遺伝子データ、ずっと会社に預けておいて大丈夫かな?」「自分で管理できたら安心なのに」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、遺伝子データを「自分で保管する」という選択肢について、それが具体的にどのようなことなのか、そしてメリットやデメリット、注意点について分かりやすく解説します。

遺伝子データを「自分で保管する」とは?

遺伝子データを「自分で保管する」というのは、検査会社にデータを任せきりにするのではなく、ご自身の管理下でデータのコピーを持つことや、特定の保管方法を利用することを指します。

多くの遺伝子検査サービスでは、検査結果のレポートだけでなく、元となった遺伝子の「生データ」とも呼ばれるファイルをダウンロードできる機能を提供しています。この生データは、アルファベットの羅列(例:A, T, C, Gといった遺伝子の情報を表す文字)や数字で構成されており、それ自体を見てもすぐに内容を理解できるものではありませんが、皆さんの遺伝子情報そのものです。

この生データファイルをダウンロードして、ご自身のパソコンや外部記憶媒体(USBメモリやハードディスクなど)に保存したり、あるいは、自分でデータを管理するための専用のサービスを利用したりするのが、「自分で保管する」というイメージです。

検査会社に預ける場合は、サービスの利用規約に基づいて会社がデータを管理・活用しますが、自分で保管する場合は、そのデータの物理的な管理やセキュリティの責任をご自身で負うことになります。

自分で保管するメリットは?

遺伝子データを自分で保管することには、いくつかメリットが考えられます。

自分で保管するデメリットや注意点は?

一方で、遺伝子データを自分で保管することには、注意しておきたい点やデメリットもあります。

自分で保管するにはどうすればいい?

まずは、ご利用になった、または利用を検討している遺伝子検査サービスが、遺伝子データのダウンロード機能を提供しているか確認してください。多くのサービスでは、マイページなどからダウンロードできるようになっています。

ダウンロードしたデータは、そのままでは安全性が保証されません。ご自身のパソコン内であっても、特別なフォルダに整理し、可能であれば暗号化するなどして、安易にアクセスできないように管理することが推奨されます。さらに安全性を高めるためには、インターネットから切り離した外部記憶媒体に保管する、信頼できるクラウドストレージサービスで厳重に管理するといった方法も考えられます。

結局、自分にとってどう考えるべき?

遺伝子データを自分で保管することは、自分の情報を主体的に管理するという点で魅力的な選択肢の一つです。しかし、それに伴う責任とリスクも理解しておく必要があります。

「会社のサービス上で最新の解析結果やアドバイスを受けたい」という目的であれば、サービス提供会社に保管を任せる方がメリットが大きいかもしれません。一方、「将来、色々なサービスで自分のデータを活用したい」「万が一に備えてデータのコピーを手元に置いておきたい」といった希望が強い場合は、自分で保管することを検討する価値があるでしょう。

ご自身の目的や、データの管理・セキュリティに対する考え方、そしてどこまでご自身で責任を持てるかなどを考慮して、検査会社への預託と自己保管のバランスを考えてみてください。どちらの場合でも、利用するサービスのプライバシーポリシーやデータの取り扱いに関する規約をよく読み、納得した上でサービスを利用することが、安心への第一歩と言えるでしょう。